体制の改善とイメージアップが必要

政府は「介護離職ゼロ」を目標に掲げ、介護施設を増設することを表明していますが、介護スタッフの人材不足はいまだに問題視されているのが現状です。施設だけが増えたとしても、人材不足が解決しなければうまく機能することができないでしょう。

介護の仕事は求人があるのになぜ敬遠されるのかというと、理由の1つに賃金の低さにあります。介護スタッフの給料は他の産業に比べて低い傾向があり、しかも重労働なので人気があまりないのです。政府は介護に携わる人の給料を引き上げるとしているが、ひとりひとりのレベルにまで行き渡るのかは不明です。給料がきちんと上がるのか行政として厳しいチェックが望まれます。

介護の知識を吸収し、スキルが上がっても給料や評価に反映されていないと士気が下がってしまうので、事業所が能力を正当に評価するようなシステムの導入も検討される必要があるでしょう。出産や育児、介護などで介護の現場をリタイヤした人を積極的に受け入れるような体制作りも必要で、空いた時間に働きたい人が多くいるのでそれをうまく調整し機能させることが問われます。

時代のニーズに併せた人材確保を行えば、介護業界を活性化することができるはずです。加えて、世間にある介護に対する悪いイメージを払拭する必要もあるのではないでしょうか。介護職員の中には仕事に生き甲斐を感じたり、前向きに取り組んでいる人がいて、楽しみながら働いている人も多くいます。介護の仕事をポジティブなイメージに変えていくことが今後更に必要になってくるでしょう。